第7章 奇跡はすぐに
何事かとユーリが顔を上げると、サボナは「まさか」と呟いて隣の部屋へ慌てて出ていった
そして直ぐに戻ってきたのだが、何故か女性看護師を二人連れている
「ユーリ、診察するぞ」
「えっ…薬は…」
「薬は後じゃ。もしかしたら体調不良の原因は直ぐにわかるかもしれん」
看護師が急いでベッドの周りのカーテンを閉めると、ユーリの服を剥ぎ取る
あまりにも具合が悪くて一切抵抗する気なんて起きなかった
相手は医師と看護師だ
このまままかせて早く痛み止めを飲んで寝たい…
そんな考えが浮上した時、ユーリは看護師が手にしたユーリの服を見て眠気が一気に吹き飛んでいた
ユーリの服が真っ赤に染まっていたからだ
「……えっ…血?」
「安心せい。怪我をしているわけではない。恐らく…」
そう言ってユーリのお腹の上にカーテンが引かれる
下半身側にいるサボナと看護師ふたりが見えなくなっていた
カーテンの向こうで何が行われているのか
混乱したユーリにはわからなかった
あの服に付いた血の位置からするとお尻周辺だ
自分の下半身に何が起きているのか、ユーリは不安が拭えないまま、サボナたちのされるがまま、診察を受けるしかなかった