第7章 奇跡はすぐに
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「はぁ……」
ぐったりしたユーリはうつ伏せのまま大きくため息を吐く
幸せだった濃厚な時間は終わり、シャワーを浴びて仕事へ向かわなくてはいけない
それなのに…
「ユーリ、大丈夫か?」
先にシャワーを浴びたシヴァが頭を拭きながらベッドに腰かける
ユーリとは違い、肌も艶々で生き生きしていた
「シヴァ様…なんか…ちょっと疲れちゃいました」
「…ふむ。いつもより手加減したんだが。やはり体に何か特別な変化が起きてるのか…?」
そう言ってシヴァはユーリの頭を撫でる
手加減された気はまったくしないが、とりあえずそういう事にしておこう
「ユーリ。お前は今日1日休むといい」
「で、でも…!」
「体調が戻ったらシャワーを浴びて医務室に行くんだ」
じっとシヴァに見つめられ、ユーリは口をつむぐ
逆らえない雰囲気がそこにはあった
「わかりました…」
「いい子だ」
もう一度くしゃっと頭を撫でられ、シヴァの手が離れていく
ユーリはぼんやりしながらシヴァが支度をするのを見つめ、その背中を見送った