第7章 奇跡はすぐに
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「ん…んん…」
ごろんと寝返りを打ってユーリは目を覚ます
寝ぼけ眼で時計を確認すれば、そろそろ起きなくてはいけない時間だ
二度寝したいが、寝たら起きられないだろう
「ふぁぁ…」
起き上がり、大きく背伸びをする
と同時に違和感を感じた
「えっ……?」
恐る恐る自分を見下ろすと、ぷるんと胸が揺れる
「えぇぇぇ!?」
慌てて鏡の前に移動すると、そこには裸の自分がいた
しかし、いつもは男に戻っているはずなのに、体は女のままだった
「ど、どういうこと…?」
カーテンの隙間から朝日が差し込む
耳を澄ませば鳥のさえずりだって聞こえる
間違いなく朝だ
「ユーリ…、どうした」
シヴァを起こしてしまったらしい
いつもならまだ寝ているはずのシヴァが体を起こす
そしてユーリを見ると固まった
「シヴァ様…ど、どうしましょう…」
「男に…戻っていない?」
ユーリは大きく頷く
ベッドに戻り、シヴァにすがるように瞳を見上げる
「私…また体がおかしくなってしまったんでしょうか…」
不安でユーリの瞳が震える
朝はいつも男に戻っていた
そんな体を見られたくなくて、ユーリはいつもシヴァが起きる前に自分の部屋に戻っていたのだが…