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僕は女の子になりたい【R18】

第7章 奇跡はすぐに



そして食事を終えると、三人は店の前に立っていた

食事はシヴァのおごりだとわかると、魔女は追加注文して平らげたのだった


「じゃぁね。もう二度と会うことはないだろうがね」


魔女はやっと帰れるとため息を吐いた

しかし、シヴァの話はまだ終わっていなかったようだ


「改めて感謝する。これを受け取って欲しい」


そう言って魔女の手を掴むと、その手のひらに小さな包みを乗せる


「なんだい、これは……って!?」


魔女の目が大きく開かれる

包みの中には銀貨が五枚入っていた

平民が一生に稼ぐ額が銀貨五枚と言われているため、かなりの大金だ


「な、なんで…」

「それぐらいあれば永住権登録、出店登録ができるだろ。堂々と店を出せるってわけだ」

「そ、それでもお釣りがくるよ…」

「さぁな。後は好きにしろ。行くぞ、ユーリ」


シヴァはユーリの腰を抱き寄せ歩き出す

魔女はそんな二人の背を見送り、苦笑していた


「まったく…こんなはずじゃなかったんだがね…」


そう言ってローブの中にある杖に手を添えると、小さく呪文を唱える

それは誰にも聞かれることはなく、魔法となって杖の先が光ると、ゆっくり消えていった

魔女は二人が完全に見えなくなると、銀貨をローブに仕舞い、踵を返すのだった―――


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