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僕は女の子になりたい【R18】

第7章 奇跡はすぐに



「アンタが私の魔法の餌食になった奴だね。顔は覚えて無かったが…。まぁ、中途半端な魔法になったって聞いて…悪い事をしたと思ってるよ」


ふいっと目を反らしたのは魔女が先だった

しかし、ユーリは身を乗り出す


「そんな事ありません!」

「………は?」


魔女はまたしても驚いたように目を見開く

そんな魔女に構わずユーリは続けた


「確かにあんな魔法使われて最初は驚きました。朝には男になって、昼に女になる。びっくりしない方がおかしいです。でも…」


ユーリは姿勢を正すと魔女に告げた


「あなたのおかげで、私は今、とても幸せです」

「………し、幸せ…?」

「はいっ!」


魔女は自分の耳を疑った

勝手に魔法をかけ、しかもそれが完全なものではなかったにも関わらず、目の前の本人は幸せだと言い出したのだ

しかも満面の笑みで…

本当なら今すぐにでも逃げようとしていた気持ちは薄れ、魔女は小さくため息を吐く


「そうかい。そりゃ良かったね」


魔女はそれ以外の言葉が見つからず、まるで皮肉めいた言い方になってしまった

しかし、二人は気にしていないようだった


「俺も同じだ。だから魔女に会えたら礼がしたいと思っていてな」

「礼だって…?」


魔女になってお礼なんて一度も言われた事がない

魔女は眉間にシワを寄せた


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