第1章 魔女の禁忌魔法
部屋を出て、シヴァの後に付いていく
すれ違う人達がユーリをじろじろと見てくるため、なんだか居心地が悪かった
慣れた城だが、今日は知らない場所に来てしまったみたいだ
「お待たせ、みなさん」
飲み会が行われている会場に着くと、わっと歓声があがった
「さすが副隊長!でかした!」
「うお、本当にユーリが女になってる!!」
ざわめきが収まる様子はない
体格のいい騎士たちが集まると迫力がすごい
いつもならどうってことないが、今日は少し怖いくらいだった
「あ、あの…僕はそろそろ」
「いいから、こっち!酒注いでくれよ」
騎士たちに引っ張られ、無理矢理座らせる
ユーリは未成年のため酒は飲めないが、お酌するように言われたら断れなかった
結局その後もユーリは忙しく酒を注いで回り、気がついたらもう月が高くまで昇っていた
「だいぶ酔っぱらったみたいだな」
シヴァは隅でコーヒーを飲んでいたようで、周りを冷静に見渡していた
改めてユーリも皆を見ると、酔っぱらって酔いつぶれている者もいる
「そろそろ政務室に戻るぞ」
「はい」
シヴァに促されて立ち上がると
「ユーリちゃぁん、もう行っちゃうのかよぉぉ」
酔っぱらい騎士が持っていた杯が傾き、ユーリの服にかかってしまう