第1章 魔女の禁忌魔法
シヴァ様に頼りにされて…いいなぁ。うらやましい…
そんな風に副隊長を見ていると、不意に目が合う
「ユーリ。本当に女になってるんだな」
副隊長がにかっと歯を見せて笑う
人懐っこい笑顔にユーリは自分の考えが恥ずかしくなった
「は、はい…。すみません。今日はご迷惑をお掛けして」
「なぁに。あの魔女の仕業だろ。逃がした騎士達にはしっかりと罰を与えといたからな」
「罰、ですか…」
騎士団の訓練はもともと厳しい
それなのにどんな罰を与えたというのだろうか
想像しただけでユーリは申し訳なくなった
「それより隊長、騎士達が騒いでますよ。ユーリを連れてこい、見せろって」
「…なんだと?」
「今、第二会議室が貸しきり状態です。皆が酒飲んで騒いでいて。どうやらユーリが来るまで終わる気はないらしいですよ」
どういうことか
ユーリは首を傾げる
自分なんて見たって意味がない、そう考えているのだ
黙ったシヴァ
しかし副隊長は続けた
「確かにもともと可愛いユーリが更に可愛くなって。閉じ込めて起きたい気持ちはわかります」
「違う」
「ただ、いつも独り占めをされてるんですから、たまには騎士達にも見るくらいのご褒美をくださいよ」
ね?と言って副隊長が笑顔の圧力をかけ、シヴァは渋々承諾していた