第6章 女神への誓い
えっ?
驚いて顔を上げると、そこにはいたずらに笑うシヴァがいた
「あの…シヴァ様。まさか…ここで?」
「知らないのか。アヌー女神は愛の女神であり、性交の女神である」
「せ…性交!?」
それは初耳だった
どうやらはるか昔、人間の男と恋に落ちたアヌー女神は所構わず交わっていたらしい
昔はそういう行為を隠す事なく行っていた人が多かったため、何も不思議な行為ではなかったが、人より体力のある女神は朝から晩まで交わっていた
当時、神と人が恋に落ちるのは禁忌とされ、誰にも祝福はされなかったという
しかし、二人は愛を貫きとおし、交わり続けたのだ
アヌー女神は己の寿命の半分を男に与え、言葉通り命尽きるまで数百年愛し合ったのだとか
「そのせいか、この神殿には世間一般的に結婚が認められないカップルが結婚式を挙げるようになったらしい」
そうシヴァが説明してくれた
身分が違い過ぎて認められない二人
または同性での結婚が許されていない二人
多くのカップルがここで結婚式を挙げているのだとか
「そして、結婚式は愛を誓い、アヌー女神に愛し合っている所を見せるのが慣例だ」
「……ということは」
「今からここでお前を抱く」
はっきり言われてユーリは耳まで真っ赤になっていた