第6章 女神への誓い
と言っても、シヴァの格好も似たようなものだった
腰から膝まで白い布を巻き付け、腰の位置で紐がとめてある
そして頭には月桂冠を載せたシンプルな格好だが、その体のたくましさが眩しくて、ユーリの脳裏にはいくつもの神のイラストがよみがえった
神のイラストは全てと言っていい程、筋肉ムキムキなのだ
女神はそんな雄々しさに惹かれるのだとも言われている
「まるで女神だな」
そっと髪を撫でられ、ユーリは我に返る
目の前のシヴァが優しく微笑み、ユーリはまたしても胸をドキドキさせた
「シヴァ様こそ…。まるで神みたいです。でも…今まで資料で見たどの神より、シヴァ様の方が素敵です」
「あまり可愛いことを言うな。今すぐその布を剥ぎ取りたくなる」
「もう…シヴァ様ったら」
ぽっと顔が赤くなる
恥ずかしいが嬉しいシヴァの言葉に、ユーリは簡単に翻弄されていた
「じゃぁ行くか」
「はい」
差し出された腕に自分の腕を絡めると、二人で中央の扉を開ける
部屋はやはり広くはないが長方形になっており、両サイドには水が流れていた
水は奥から涌き出ていると老神父が言っていたが、部屋の中心に円台があるためよく見えない
そして、一番奥の壁にはアヌー女神の像があった
斜め下を見下ろすように造られており、その女神は微笑んでいる