第6章 女神への誓い
「アヌー女神の神殿へは何をしに行かれるのですか」
「決まっているだろ」
ぐいっと腰を抱き寄せられ、キスをされる
深くなるキスにとろけそうになり、意識が朦朧とした
「ユーリ、アヌー女神は何の神だったか覚えているか」
「んっ…確か…愛の女神です」
「そうだ。俺たちは今からアヌー女神に愛を誓いに行く」
「愛を…」
思わず目を見開く
神の前で愛を誓う
それはまさに…
「結婚式…みたいですね」
頬を赤らめてシヴァを見つめれば、優しい笑みが返される
「あぁ。そのつもりだ」
「シヴァ様…」
「たった二人だけなうえ、正式なものではないが」
「それでも嬉しいです」
ユーリは勢い良くシヴァに抱きつく
教会では挙げる事の出来ない結婚式
しかし、個人が管理している神殿では、管理者の許可があれば自由に使えるとのことだ
レイラを見て憧れていたが、シヴァがここまで考えていてくれてるとは思わず、嬉しくて涙が出そうだった
「シヴァ様…」
「偶然今日が空いていてよかったな」
「はいっ」
ユーリは待ち遠しくなり、窓から小さく見える神殿を、まだ到着しないのかとウズウズしながら待つのだった