第6章 女神への誓い
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そして待ちに待った休日
ユーリはレイラの協力のもと、控え室でしっかり準備をしていた
シヴァは休日だというのに少しでも仕事を片付けるからと言って隣の政務室で働いている
「そろそろ時間ね」
レイラがそう言うと、ユーリの体に変化が訪れる
ユーリは慣れっこでも、レイラはまだ少し驚いていた
「やっぱりすごいわね、禁忌魔法って。もし、ディーン様が女になったら、私はちゃんと愛し続けられるかしら…」
うーん、と真剣に悩んだ様子のレイラを見て、ユーリはクスッと笑ってしまう
レイラの左手の薬指にはキラリと光る指輪が付けられていた
その代わり、レイラの耳からピアスが消えている
結婚式後に聞いたのだが、正式に夫婦となると指輪を身に付け、ピアスは次世代へ受け継がれるのだという
レイラたちに子供ができ、その子供に婚約者ができたらピアスを贈るらしい
改めてユーリは自分のピアスの重さを認識する
ユーリはシヴァと結婚できないどころか、子供だってできない
受け継がれることはないのだ
しかも、シヴァは家督を弟に譲っている
本来ならその弟の婚約者に贈られるべきピアスなのだが、シヴァも両親もユーリに贈る事を認めてくれた
なんとも信じられない事だった…