第5章 結婚式の夜
シヴァも裏庭へと続くドアに消えていくカップルを横目に見る
「あぁ。結婚式の夜は裏庭でカップルや夫婦たちが愛を誓いあうんだ。今日結婚した二人のように、永遠の愛を再度誓う。参加者のためのイベントのようなものだな」
「永遠の愛を…」
素敵な響きにユーリは胸をときめかせた
裏庭には行った事はないが、そんな神聖な場所なのかと思うと行ってみたくなる
「行きたいか?」
「えっ…あっ…」
心を見透かしたようなシヴァの瞳
ユーリは戸惑いつつも、素直に頷いていた
「じゃぁ、俺たちも行くか」
「はいっ」
グラスを置くとシヴァの腕に自分の腕を絡ませる
裏庭に続くドアには警備の男二人が立っていた
そしてカップルであるかをわざわざ確認する
「当然だ」
シヴァの力強い言葉にユーリは胸が温かくなりながら、ふわふわした足取りのまま裏庭へと足を進めた
城から庭に降りるために続く白い階段
今日は満月のため、月明かりに照らされてキラキラと輝いているようだった
そして同じく照らされた庭
花が咲き乱れ、とても美しい
しかし、目の前に広がる光景を目にした瞬間
「………えっ?」
ユーリは自分の目を疑い、呆然と立ち尽くしてしまっていた