第5章 結婚式の夜
ダンスを終えると、ユーリとシヴァはグラスを片手に壁に寄りかかっていた
デザートも食べ、大分満たされている
「シヴァ様…」
そっと隣のシヴァに寄りかかると、笑ったのか小さく息を漏らしたのが聞こえた
「酔っているのか」
「…多分、そうだと思います」
「気に入ったのなら良かったな。来年ユーリが成人したら、どこか飲みに行くか」
「行きますっ!」
ぱぁっと笑顔を見せてシヴァを見上げる
来年が待ち遠しくなる瞬間だった
ぽんぽんと頭を撫でられ、デレてしまいそうなのを誤魔化すようにユーリはお酒を口に含む
それからしばらくして―――……
「レイラたちへの挨拶は難しそうですね」
「そうだな」
どれだけ時間が経っても二人の周りには人で溢れていた
ディーンは将来、大臣の座を約束されている
そのため挨拶にくる人が絶えないのだとシヴァが教えてくれたが、ユーリには難しい話はさっぱりだった
「全体的に人は減っているんですけどね…」
そう言いながら、ふと気づく
カップルたちがとあるドアの向こうへと消えていくのだ
出口は反対のため、ドアの向こうにあるのは裏庭だったはず
「シヴァ様、なぜ皆さん裏庭に行かれるのでしょうか?」
ユーリは首を傾げる
この盛大なパーティーにまだ何かあるのかと疑問が浮かんだ