第5章 結婚式の夜
シヴァの言葉にユーリは耳まで真っ赤になったのがわかった
というのも、川や山へ移動するための馬車には他にも人が乗っているからだ
多くの馬車を移動させられないため、八人乗れる馬車で大移動していた
「あらあら、ラブラブねぇ」
なんてこっちを見ていた夫婦に言われてしまい、ユーリは俯いてしまう
この馬車に乗っているのは夫婦二組と、カップルが二組だった
シヴァとユーリがイチャつき始めたと思ったのか、もう一組のカップルが勝手に盛り上がる
「私たちの方がラブラブよねぇ」
「もちろんさ」
なんて言いながら濃厚なキスを始めてしまい、ユーリは頭を抱えたくなった
城までの道のりが長く感じた頃に、空は暗くなり夜が訪れる
夜は城でこれまた盛大なパーティーが開催されるのだ
何度かパーティーの警備を担当したことはあるが、自分が参加するのは始めてだったため、少し緊張してしまう
ダンスがあるからと必死でステップを覚えたが、結局踊れるのは二曲だけだ
それでも、シヴァとのダンスは楽しみである
そして、もう一つの楽しみは食事だった
コルセットでお腹を締め付けてるとはいえ、昼食を抜いてしまった分、お腹はペコペコだ