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僕は女の子になりたい【R18】

第5章 結婚式の夜



貴族の結婚式は盛大で、夜のパーティーまでを結婚式と呼ぶ

教会で愛を誓い合った後は、白馬の馬車で街を闊歩し、国民から祝いの言葉が投げ掛けられる

そんな国民たちにもクッキーが配られ、普段口にすることができない高価な味に、更に皆が喜んでいた

その後は生命の源と言われる国一番の大きな川で、子宝を祈った儀式が行われる

さらにその後は山へと向かい、産まれてくる子供が健康であることを祈る


この国では、残念ながら夫婦は子供を作るべきという考えが根強い

そのため同性愛は認められても結婚は認められないのだ

かくいうユーリも一時的に体は女になるものの、妊娠できる体ではない

そのため戸籍上の性別は男のままである

ユーリがシヴァに引き取られてから、同性の結婚も認めるべきだとシヴァの父、ドーノンが何度も議会で提案しているらしいのだが

頭のお堅い議員たちはそれを認めようとしないのだとか

法律を変えるのは難しい

改めて実感したことだった


「どうした、ぼーっとして」


山から城に向かう馬車の中、頬にキスをされて我を取り戻す


「シヴァ様っ…何を…」


かぁっと赤くなったシヴァはユーリの腰を抱き寄せ今にもキスをしそうな勢いだ


「何って、愛しいお前が心ここにあらずの状態なら、どうしたのか気になるのは当然だろ」


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