第5章 結婚式の夜
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城に併設された教会
そこで結婚式を挙げられるのはごく一部の人間だけである
なんとか間に合ったユーリとシヴァも結婚式に参列していた
淡い水色のドレスにクリーム色の靴、髪はきっちりと結い上げ、化粧はいつもより少し濃い
ドレスは地面に触れるほど長く歩きにくいが、ふわふわとしたスカートは可愛くてユーリのお気に入りだった
それに…
ちらっと隣にいるシヴァを盗み見る
式典等に参加する時に着る正装に身を包み、ちょっぴり長い前髪は後ろに向かって撫で付けられていた
ほとんどの貴族が同じ格好をしている
にも関わらず、誰よりも素敵だとユーリは思った
凛としたその横顔にユーリは惚れ直してしまう
もちろん、今日の主役でもあるディーンも素敵だったが、ユーリからしたらシヴァの方が何倍も格好いいのだ
そんなこと…口にできるわけないが…
一方、着飾ったレイラは誰よりも美しかった
真っ白なドレスが良く似合う
ヴェールで顔は見えないが、嬉しそうに微笑んでいるような気がした
あぁ…羨ましい…
ツキン…と胸が痛くなる
私もシヴァ様の妻になりたい
女として、妻としてシヴァ様を支えていきたい…
好きな人と結ばれること自体が奇跡のような物だが、それでもユーリに生まれるのは贅沢な望みだった