第5章 結婚式の夜
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結婚式当日
雲ひとつない青空が広がっていた
レイラの結婚式は午後三時からの予定となっている
もうすぐお昼だが、珍しくシヴァは寝たままだった
急きょ警備を代わってもらうことができたため、シヴァも結婚式に参列することができるようになったのだが…
「随分と疲れが溜まってたんだなぁ」
すやすやと眠るシヴァの顔を覗き込む
無防備なところも愛しくて、思わず頬にキスをしてしまう
と同時に体に変化が訪れる
いつもの女体化だ
胸は膨らみ、髪が伸びると、見慣れた自分がいた
「ん…ユーリ?」
「あっ、シヴァ様。おはようございます」
タイミング良くシヴァが目を覚ます
だが、その目はまだ虚ろだ
「……もう、そんな時間なのか」
シヴァはユーリを見て寝すぎた事をさとる
「はい。ちょうどお昼です。よければ昼食をこの部屋に運びましょうか?」
「いや…いい」
「あっ…!」
気がつけばユーリは抱き締められ、キスをされていた
「シヴァ…様…お時間が…」
舌が絡み合い、ユーリは疼くのを感じた
久しぶりの濃厚なキスにとろけそうだ
「ユーリ…お前を抱きたい」
低く囁かれ、ゾクっとしてしまう
だが、時間が無いのも事実だった