第5章 結婚式の夜
「おかえりなさい、シヴァ様」
飛び付くと、シヴァは少し驚いた顔をしつつも抱き締めてくれる
「ただいま、ユーリ。だが、先に寝てろって言ったはずだが」
「ごめんなさい。なんだか眠れなくて」
申し訳なさそうに謝ると、すぐに横抱きにされてベッドに運ばれる
「あれ…シヴァ様、大浴場に行かれたのですか?」
ほのかに石鹸の香りがしてユーリはシヴァの胸に顔をうずめる
「あぁ。ディーンたちと話が終わらなかったからな。流れでそのまま入ってきた」
「そうでしたか…お疲れ様です」
抱き合ったままベッドに横になる
ユーリの頭を撫でてくるところをみると、シヴァはこのままユーリを寝かしつけようとしてるのだ
抱いて欲しかったな…
そう考えながらもユーリは目を閉じる
最近はお預けが多くなっていた
毎晩抱かれていたのだから、たった数日抱かれないのは物足りないと感じてしまう
でも、我慢しなきゃ…
シヴァ様だって忙しくされてるんだから、抱いてなんてお願いできるわけない…
結局もやもやしたまま、ユーリが眠りについたのはそれから三十分程してからだった
同様にシヴァも我慢しているなんて、全く気づかずに…