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僕は女の子になりたい【R18】

第5章 結婚式の夜





とある夜――


ぼんやりとユーリは月を見上げていた

最近はシヴァの帰りが遅い

結婚式に陛下ら王族が多く出席されるため、どう警備するか何度も計画を練り直しているのだとか


「今日も遅いのかな…」


ぽっかりと浮かぶ月

空には雲ひとつ無く、夜の城を明るく照らしている


「結婚かぁ…」


ぽつりと呟く

ユーリの心に浮かぶのは『羨ましい』という感情だった

レイラとディーンは幼い頃からの許嫁であり、二人はやっと時期がきた、という感覚らしい

もちろん二人は愛し合っており、誰もが認めるカップルだった


そんな二人を羨ましいと思うようになったのは最近のことだ

ユーリはどんなにシヴァを愛しても結婚は許されていない

体が女になり、シヴァを愛し、さらにシヴァにも愛してもらっている

それだけで幸せだと思った

シヴァに抱かれる度、嬉しくて満たされていたのだが…


「私ってばわがまま…」


シヴァの妻という立場に憧れてしまっている

何度目かのため息をついたとき、ドアがカチャッと音を立てて開けられる

やっと帰って来たシヴァに、ユーリは憂いを消して笑顔を見せた


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