第5章 結婚式の夜
「あら、淋しくないの?いつもイチャイチャしながらお昼を過ごしてるのに?」
「イチャイチャなんて、そんな…」
レイラの言葉にユーリは顔を赤らめる
否定しつつも、脳裏に浮かぶのは優しい表情のシヴァだった
昼食を政務室でとった後、雰囲気が盛り上がってしまい、隣の控え室で抱かれることがたまにある
しかし、そんなことレイラは知らないはずだ…多分…
「でも、シヴァ様が結婚式に参列されないのは残念だけど、ユーリがいてくれるだけ嬉しいわ」
「私こそ…なんか緊張しちゃうな」
お偉い方々が参列する結婚式
そこにユーリ一人なんて場違いな気がした
せめて隣にシヴァがいてくれたら心強いのだが、あいにく警備で立ち会う事ができない
シヴァとディーンは昔からの友人であるため、シヴァだって残念だろう
「それはそうと、またレイラにドレスを用意してもらっちゃって…」
「いいのよ。シヴァ様に頼まれるより前から私が個人的に用意したかったし」
レイラが用意してくれたのは春にふさわしい淡い水色のドレスだった
もちろん、靴やカバンもセットで用意してもらっている
お金はシヴァが出しているらしく、一度も受け取ってもらえたためしはない
今回だって断られている