第1章 魔女の禁忌魔法
「お待たせしました。ディーン様、シヴァ様」
レイラに背を押され、無理矢理控え室を出ると
「おや。いいね。レイラほどではないが、とても可愛いよ」
さらりとノロケを交えてディーンがコメントをする
ちゃっかりレイラを抱き締めているところを見ると、ユーリなんか眼中に無いようだ
一方シヴァはというと、相変わらず機嫌が悪そうだった
「あの…シヴァ様。少しお時間をいただきたいのですが。急いで服を買ってきますので」
「……だめだろ」
シヴァが盛大にため息を吐く
ひょっとしてシヴァ様、あきれてる!?怒ってる!?
ユーリが一人ハラハラしていると
「そりゃそうだよね。ただでさえ可愛くて人気者のユーリちゃんが女の子になったって噂が広まってるんだから。拐われちゃうよ?」
「…さすがにそんなことは…」
「ディーンの言うとおりだ。今も部屋の外に人が詰めかけている」
そう言われ、ユーリは驚いて目を見開く
確かに部屋の外から物音がいくつも聞こえた
「シヴァ様…僕は今日はどうしたら…」
「大人しくここにいろ明日までの我慢だ」
「そ、そうですか…」
明日までここから出られないとなると、ユーリは役立たずだ