第4章 もっとしよう
「……どうしたものか」
シヴァは机に置かれた小瓶を眺める
先ほどの女がシヴァに渡したものだった
その小瓶には青い液体が入っており、見るからに怪しい
『お疲れでは明日以降に響きましょう。こちらは回復薬です。よかったらお飲み下さい』
フードで表情は見えなかったが、この店が変なものを客に提供するとは思えない
貴族御用達の店だ
変な噂が蔓延すれば簡単に潰れるだろう
この店はサービスが行き届いており、利用客の事は一切外に漏れる事はない
だからこそ利用者も多く、高い利用料を払ってでも通う者が多いと聞く
多額の利益は充実したサービスへ繋がる
つまり、青い液体も本当にサービスのつもりなのだろう
やや疑わしいところがあったが、シヴァは小瓶を手に取り蓋を抜くと、一口だけ飲んでみる
それは柑橘系の味が口いっぱいに広がり、美味しいと感じる程だった
即効性があるのか、確かに体力も回復してきたような気がする
ならばと再び小瓶に口をつけ、大きく煽った時
「―――!?」
灯りに照らされた小瓶の底に何か書いてあるのを見つけた
小瓶を持ち上げ覗きこむと
――回復薬。効果は絶大のため、一口で十分に効果は得られます――
そう書かれていた
「……全部飲んでしまったぞ」
シヴァは眉間にシワを寄せる