第4章 もっとしよう
見るからに怪しい液体だったが、ユーリは躊躇うことなく手に取り、いただきますと呟いて口に含んだ
「なんだか、とっても甘いです」
目をぱちぱちとさせたユーリ
しかし、それはすぐに効果を発揮し、ユーリは一瞬で夢の中へと落ちていく
こてんとシヴァに寄りかかり、すやすやと寝息をたて始めたのだ
まるで睡眠薬だな、とシヴァはユーリを見て苦笑した
こんな物が世間に出回ったら犯罪が起き放題だ
もちろん、高価な材料で作られている液体であることは貴族なら知っている
そのため普段は手にすることができないものだ
気持ち良さそうに寝ているユーリをベッドに運び、寝かせてやる
頭を撫でてやるとユーリは嬉しそうに小さく笑った
「まったく…可愛くて閉じ込めておきたいぐらいだ」
長年の恋が成就したとはいえ、シヴァからしたらユーリを想う気持ちは溢れるばかりだ
あまり言葉にしないが、毎日愛しくてしょうがない
ちゅっとおでこにキスをするとベッドから離れ、ドアの横に置いてあるベルを手に取る
軽く振ればチリンと音がした
十秒程して、現れたのはここの従業員だ
二時間後に馬車を用意するように言い付けると、女は恭しく頷く
そして直ぐに立ち去るのかと思ったら、女はあるものをシヴァに差し出したのだった