第1章 魔女の禁忌魔法
「おやおや。つれないねぇ」
わざとらしくティーンは残念そうな声を出す
それにあきれ声を出したのはシヴァだった
「いいから早くレイラに連絡を。ちゃんと男物の服を用意させろよ」
「はいはい」
手を振るとディーンはしぶしぶ出て行く
やっとほっとしたが、シヴァに睨まれてしまった
「出てくるなと言っただろ」
「すみません…」
一言で言うなら不機嫌
最初はユーリを心配してくれたものの、今ではシヴァの眉間にはシワが深く刻まれている
「とにかく控え室に戻れ。すぐにレイラは来るだろう」
「はい…」
とぼとぼとユーリは控え室に戻る
レイラは侯爵家の娘であり、家具や衣服等の商いをしているのだ
そのため、ユーリの服を用意させるのにはうってつけだろう
「それにしても胸って重いんだなぁ…」
控え室には鏡があり、ユーリはその前に立っていた
シヴァのシャツはまったく似合っていない
それでもついニヤけてしまう
憧れのシヴァの服が着れたのだ
不幸中の幸いとはこういうことを言うのだろう
じっと鏡の中の自分を見つめる
「うーん?なんか…全体的に変わったかな?」
髪や胸だけじゃない
目が少し大きくなったような気がするし、手足は細くなったような気もする
それに、腰がさらに細くなっていた