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【FF7 ヴィンセント BL】Halloween Night

第2章 真夜中


ヴィンセントの命じたまま、尻だけは震えながら高く上げ続けているが、ふさふさとした尻尾は脚の間に仕舞い込まれ、その先端はリオの牡から零れた蜜に濡れている。
余りと言えば余りな姿に、ふと、優しい手付きで背を撫でる。
狼というよりは幼気な仔犬を苛めているような。
「……リオ、」
優しく呼ぶと、伏していた耳がぴく、と僅かにこちらを向いて、思わず苦笑する。
もう一度、名前を呼ぶと、すん、と鼻を鳴らして、涙に濡れた貌がこちらを向いた。
「ヴィンセント…さん、………ど…して、…こんな、」
ふさふさの睫毛についた、いっぱいの泪の水滴が重そうだ。
銀色に揺らめく眼差しと、濡れて震える紅い唇が美しい。
この期に及んで"さん"付けで呼ばれることが、可笑しかった。

「リオ、おまえを、私のものにする」

少年は、ややあって、怪訝そうな表情を見せた。
それから、呻いて、シーツに突っ伏す。
「…い、…痛い、……おなか…、」
細い腹の中を、先程注入された液体が強烈に刺激し始めていた。
「リオ、もし、漏らせばーー」
「う、ううーー……」

(お仕置き……)

この上、どんな恐ろしいことをされるのかなど、もう想像もつかない。
しかし、それ以前に、
(…も、漏らすなんて、できない…)
ヴィンセントが見ているのに。
ベッドの上で。
そこまで考えて、ふと、両手首に嵌められた枷が目に入った。
血の気が引く。
手を引いて、鎖を鳴らした。
「ト、トイレ…行かせて、っ、」
ヴィンセントが笑みを浮かべて僅かに首を傾げた。
「外して、これ……ね、ヴィンセントさんっ!……っ早く、」
「そうだな………月夜の散歩と行くか」
「…、っな、なに…?」
何を言われているのか解らない。
目で縋ると、ヴィンセントがふっと笑った。
「辛そうだな? 庭まで我慢できるか? リオ……漏れないように、栓をしてほしいか?」

(庭…)

夕暮れに訪れた、屋敷の周囲を思い出す。
屋敷の周り、塀に囲まれた、あのスペースのことだろうか?
心臓が早鐘を打ち始める。緊張に喉が鳴った。
…我慢?
……できる?
腹の中を暴れ回る熱は、もう、今にもーー。
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