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【FF7 ヴィンセント BL】Halloween Night

第3章 trick or treat


ヴィンセントは、リオの呼気が何かを形作る前に、唇を離した。
「…温水だから安心してくれ」
水場の蛇口を捻りながら、自分の吐いた言葉の白々しさに自嘲する。
安心だと? 散々な真似をしておいて、何を今更。
嫌われても憎まれても、自分のものにしようと決めたのではないか。
シャワーの水は、すぐに温かくなった。
おとなしいままのリオを、再び壁に手を付かせて、腰から下をゆっくりと洗い流す。
成長途上の小振りな牡を持ち上げたとき、それが反応を見せて、リオの貌が羞恥に染まった。
嗜虐心が擡げたが、気付かない振りをして離してやった。
足元の排泄物も洗い流す。
それから尻を開かせようとすると、リオの全身が明らかに強張った。
「リオ……言っておくが、まだ終わっていない」
びくん、と細い裸体が震える。
「直腸がきれいになるまで、あと二回ほどか…」
あと二回、と聞いて及び腰になるのを、苦笑しながら捕まえる。
「さっきの程は辛くない。洗い流すだけだ」
「う、ぅ……」
「…頑張れば、優しく抱くと約束しよう」
ぴくり、と狼の耳が立った。
キスをしてから初めて、銀色の睛がこちらを向く。
満月の発情と苦難の行為の中で、その眼差しは不思議な魅力を湛えていた。
「僕のこと……だ、抱…く、んですか…、」
「ずっとそう言っているだろう」
「………………、」
ぱさぱさ、と、瞬きに合わせて、銀の長い睫毛が大きく上下した。
そして、ふるり、と壁を向くと、おずおずと白い尻が差し出される。
いい子だ、と言って撫で、湯の温度を少し下げた。
「リオ、湯が入り始めたら三つ数えろ」
こくり、と頷くのを確かめて、尻を割り開き、ゆっくりとシャワーヘッドを移動させて蕾に充てがった。
「力を抜け。すぐ済む」
優しく言い聞かせ、やがてリオが吐息を零した。
「…ち、……に、……さん、」
小さな聲が三を数えるのを待ってから、狼の耳元で「締めろ」と囁く。
「…っは、」
切ない吐息が上がり、ヴィンセントは蛇口を閉じた。
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