第11章 新メンバーは可愛い子がいい。
『ゆーくん、私ね私ね、今日、沖田隊長にほめられたんだよ。』
私はひとりで呟いた。
目の前のゆーくんに。
ゆーくんの石に。
『あんなに、不機嫌だった沖田隊長が最近なんか、私の剣術みても悪くねぇな、とか言い出したんだよ!?』
あはは、とゆーくんと話してるようにひとりで笑う私。
『きっと、ゆーくんのおかげだね。』
にまっと微笑んで、私は大好きなチョコレートをゆーくんの石に置いた。
『ありがとね、ゆーくん。』
いつまでたっても。
『それと、ゆーくん、沖田隊長にゆーくんがよろしくだってさって言ったら、知るか、お前はお前らしく天国で遊んでな。とかだって!』
あはははは、とひとりで爆笑する私。
『だから、』
『天国で遊んでな。』
私はチョコレートを見てから立ちあがり、ゆーくんの石に背を向けた。
『ゆーくんは大丈夫だけど、私はこんなところに何回も来ないよ。私はそんなねちっこいヤツなんかじゃないからさ。だから楽しく遊んでな。』
そして、私はほそりと呟きながら屯所へ歩きだした。
『さよなら。』
─風間雄心 墓
幼なじみ、真選組一番隊副隊長華時歩美の手によって永眠。
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