第10章 本当に好きな人。【求婚篇④】
華時side
『ゆーくん!!!!』
ガラリと私は病室のドアを開ける。
雄心「……歩美…」
『ゆーくん!!!!』
私はゆーくんと叫ぶことしか出来なかった。
生きて、なんて言えない。
こういう時、なんて言えばいいの?
私はただ、ただ、泣くことしか出来なかった。
『いやだ…いや…だ……』
雄心「歩美……」
いつもと違うか弱い声。
それもかもが全て、ゆーくんの物。
これが聞こえなくなる。
『ゆーくん……』
雄心「ありが……とぅ……」
『え…?』
雄心「あり…が……と…ぅ」
『ゆーくん…ぅぅ…ぅあ…っ』
雄心「たの…しかった……歩美……といれて。」
『うんっうんっ』
私もだよ、って言いたいのに、言葉にでない。
雄心「あいつ…にも……よろ…しく。」
『うん、』
沖田隊長の事なんだな、ってわかった。
雄心「す……」
雄心「き」
ピーピー
そして、ゆーくんは永い眠りについた。