第10章 本当に好きな人。【求婚篇④】
沖田side
俺は無理やり、神山と華時にまた病室に戻らされベッドで寝かされた。
まぁ、まだ疲れもあったからあまり抵抗はしようとはしなかった。
神山は土方さんのところへ行くとかどうとか言って、俺と華時のそばから離れた。
華時は俺の寝ているベッドの隣の椅子に座って俺を見つめた。
『…少しお話いいですか。』
最初に口を開いたのは華時の方からだった。
沖田「あぁ…。」
『ありがとうございます。』
華時は俺のそばへと寄った。
それが何故か恥ずかしくなって俺は華時から目をそらした。
『私、昔ゆーくんとずっと一緒にいたんです。どんな時も。大好きな幼なじみだから。』
沖田「…」
『ゆーくんの隣は私、とか勝手に思っていました。でも、そんな事はなくてゆーくんが彼女として他の女の子を私に紹介したんです。』
『その時思ったんです。なんでゆーくんの隣は私じゃないんだろう、って。』
何故か、共感出来た。
華時が雄心と口づけをしたとき、なぜ俺じゃねぇのかと思った。
『…その時の気持ち。私は今更気づいたんです。』
『私はゆーくんが好きだった。』
ガラガラガラ…
俺の何かが崩れる音がした。
悔しくて、何故か手を握りしめた。
『でも、今はもう遅かった。もうゆーくんにそんな感情は無かったんです。』
沖田「…そいつにもう恋愛感情は無かったことかぃ?」
『…というよりもその上を遥かに回るくらいぐらいの気持ちを持ったお方が現れた…というか。』
何故か、華時の顔は真っ赤だった。
『えへへ、好きな人が出来たって言えばいいんですかね。』
嬉しそうに顔を赤く染めながら笑った。
沖田「その好きなヤツは…誰なんでぃ…。」
聞いてしまった。
華時が他の男を見て笑顔になっているところを想像した。
『……………たいちょ』
沖田「…え?」
『わっ、な、なんでも無いですっ!』
華時は顔を押さえた。
耳が真っ赤だった。
…今、隊長って…いいやした?
隊長って俺……?
自意識過剰かも知れねぇけど何故か俺も顔が熱くなった。
日記をみて下さい、お知らせが書いてます。作者より。