第9章 ハッピーハロウィン🎃【番外編】
『そういえば』
私は沖田隊長と歩いていると色んなお店で飾られているカボチャを見て思い出す。
『沖田隊長、ハロウィンって知ってますか。』
沖田「当たり前でさぁ。」
え、知ってるんだ。意外。
なんかイベントとか興味なさそう。
『…美味しそう』
沖田「何がでぃ」
私は洋菓子屋のハロウィンチョコレートを見た。
可愛くパンプキンとかかれているチョコレートにお化けのホワイトチョコレート。
女子力の塊や…。
すると、店を入ってく女の子ふたりが見えた。
私と同い年位。
でも、全然違う。
こんな女らしくない隊服じゃなくて可愛らしい着物。
花が可愛く模様にピンクと黒のセクシーな帯。
おしゃれにまとめあげられた髪。
私なんか肩過ぎくらいの髪なのでひとつ結びかおろす位しか出来ないのに。
沖田「…い…おい、華時。」
はっ、と我に帰る。
沖田隊長はずっと私を呼んでたらしい。
沖田「どうしたんでさぁ。」
沖田隊長が私の顔を覗く。
私は沖田隊長と目が合う。
沖田隊長はこんな女らしくない私を可愛いなんて思った事はないだろうな。
あんな子が可愛いって思うんだろうな。
私だって思ったんだもん。
沖田隊長だけじゃない、土方さんも近藤さんも山崎さんも一番隊のみんなも私の事なんか…。
なぜか悔しくなって…
顔が曇ってくる。
そして、目がじわりと水に濡れた。
その瞬間、あの子達がこちらをみてひそひそと話している。
「ねぇねぇ、あの人かっこよくない?」
「分かる~イケメンかよ~。」
「あれ、隣の子女の子だよね?泣いてない?」
「なんか、普通に女の子って感じしないよね…」
「いや、そう言う生き方してるんでしょ。」
「えーまじ?私なら無理だね。」
「それより、あの人めちゃめちゃかっこよくない?」
「あれ、真選組じゃない!?」
「えっ、待って!沖田総悟じゃない!?」
「もしかして、隣の子、華時歩美じゃない!?」
「やばぁ、沖田総悟といい感じって言われてたけど泣かされてるw」
…私は精神がどんどん削られていく。
沖田隊長もあの子達の会話を聞いているはず。
私でも普通に聴こえる。
沖田隊長…。
沖田隊長は私の涙をぬぐってからあの子達の方へと近づいていく。
『お、沖田隊長…?』
沖田「おい、そこの嬢。」