第7章 大切な人が敵だとしたら【求婚篇②】
『ゆーくん…?』
ごめんねと謝るのはなぜ?
なぜ、ゆーくんは刀を持っているの?
なぜ、こちらに刀を向けているの?
私にはまだわからない。
ゆーくんが何なのか。
ゆーくんが何をしようとしてるのか。
雄心「俺、攘夷志士なんだよね。」
『は…?』
ゆーくんが苦笑いで刀を私に向けた。
雄心「びっくりしたよーだって歩美、真選組になってんだもん。あ、敵だーって思った。」
他の攘夷志士は黙ってこちらを見る。
そして、私を囲む。
どういうことなの?
ゆーくんは…攘夷志士…!?
『なんで…じゃあ求婚…した……の?』
雄心「まぁ、ガチで惚れたのもあるけど、やっぱり有利なんだよね。歩美を手に入れると。」
『はい?』
雄心「正直、真選組は歩美に依存してる。」
私に依存…??
どういうことなの?
雄心「歩美が入る前までは隊士が死んだってすぐ立ち直ったはずだった。」
雄心は刀を地面に向ける。
私も拳銃を腰に直す。
それを見て周りの攘夷志士達も刀に入れてる力を弱くしたようだ。
雄心「歩美が入ってからだ。真選組はみんな歩美が死なないか、歩美が心配だの、歩美、お前を優先されている。」
た、
確かに…。
さっき、近藤さんだって私を逃がすとかどうとか言ってたような…。
雄心「最近の真選組はふざけている。」
ごくり
私はその一言で気を失いそうになる。
私は最近の真選組にはなんとも思っていなかった。
それは真選組だけだったってこと?
周りからみた真選組はふざけている…ということ?
雄心「歩美が全てみたいなね。」
私が全て…
私が……?
『そ、そんなわけっ…』
雄心「あるよ。」
『っ…なんで?』
私は思いたくなかった。
私のせいで…真選組の良さが消えてるってこと?
私のせいで…もしかしたら、私のせいで土方さんも…。
『わたしはみんなの足手まといだよ?女子力ないよ?可愛くないよ?なのに…私が依存されてるって…なによ…!?』
雄心「お前は可愛くなくなんかない。」
は?可愛くなくなんかない?
どっち?
裏の裏やから、可愛いってこと?
んん??あれ?それは自意識過剰?
雄心「可愛いってこと。」