第7章 大切な人が敵だとしたら【求婚篇②】
『は?』
沖田「ったく近藤さん、冗談はやめてくだせぇ、どんなにマヨラーくそ土方でもそんなすぐやられやせんぜ。」
沖田隊長はため息をついて言った。
近藤「いや、本当にだ。あの例のヤツにやられた。」
その瞬間
空気が変わった。
例のヤツ。
土方さんもやられたってこと?
土方さんは無事なのか?
例のヤツ……
頭の中でも色んな事がぐるぐる回る
沖田「近藤さん、」
近藤「なんだ。」
沖田「土方さんの今の状況は?」
近藤「血を吐いて意識がない。だが大丈夫だろう。4日もあれば意識を取り戻す。」
命は無事なのか。
と私は安心し、ほっとため息をつく。
沖田「でも、土方さんを殺ったヤツを仇をとらなくていいんですかぃ?」
いや、まだ、死んでないからね?
近藤「これ以上被害を広げたくない。お前たち一番隊は最後に逃げることになるが、いいか?」
沖田「もちろんでさぁ。」
近藤「歩美ちゃんはもう逃げた方がいいか?」
は?
なんで??
沖田「……」
いや、早く断ってよ。
なんで、私も一番隊なのに逃げなきゃいけないの?
沖田「大丈夫でさぁ、俺が護りやす。」
近藤「そうかありがたい。無理はせんようにな。」
そう言って電話は終わった。
『……』
沖田「安心しなぁ独りで逃げさせやしねぇ」
『…』
沖田隊長はまっすぐ私を見つめた。
このまっすぐな瞳、この表情が私は好きだ。
『ありがとうございます。』
沖田「礼を言う暇があったらコイツらを片付けな。」
いつの間にか回りには
攘夷志士に囲まれていた。
隊士「華時副隊長!気をつけて下さいっ!」
『そっちもね!!!』
そう言って私は攘夷志士の群れに突っ込む。
攘夷志士「行くぞっ!真選組だっ、気を付けろよ!」
片付けてやる。
私はそう思いながら相手を切る。
ぐわぁ、と言う男の叫び声が聞こえる。
そこに一人の攘夷志士が叫んだ。
攘夷志士「来たぞ!俺らは勝利を掴んだぞ!」
は?
来た?なにが?勝利を掴んだ?
沖田「おそらく、その例のヤツが来たぜぃ!気を付けな!!!」
土方さんを殺しかけた…
『はいっ!!』
そこには…
雄心「ごめんね歩美」
そこには大切な幼なじみゆーくんがいた。