第6章 別にモテる訳ではない。【求婚篇】
雄心「いやぁ、そんな事もあったなぁ。あまり覚えてないよ。」
『ううん、私にとってはそれが一番の思い出だよ。あのときはごめんね、ゆーくん。』
雄心「ゆーくんとか久しぶりすぎて~」
にこっと笑うゆーくん。
それは前みたいな可愛い笑顔じゃなくて、綺麗な笑顔。
『それにしてもかっこよくなったね、ゆーくん。』
雄心「歩美は相変わらず可愛いね。」
『お世辞もうまくなってる。』
雄心「あはは~でしょー?」
ピキッ
コイツ…失礼すぎ……
『私も結構お世辞上手いと思うんだー』
雄心「あははーそうかなー?まぁ、俺のほうがうまそう~」
ごほん、と土方さんが咳払いをした。
土方「そんで、お前は華時に何かようなのか。」
土方さんは煙草に火をつける。
雄心「あ!そうです!ちょっと用事があって。」
ゆーくんは持ち物の中からごそごそと物をあさり始めた。
その瞬間、
沖田「華時ー俺の始末書できやしたー?」
沖田隊長が襖を開ける。
しかもその瞬間にゆーくんは小さな箱をとりだす。
沖田「なんでぃ、その男。」
沖田隊長がゆーくんを見て睨む。
失礼だぞ、沖田隊長。
私が答えようとした瞬間。
雄心「歩美、結婚して下さい。」
…え?
土方さんも煙草をポロリと落とす。
いや、火事になるからね!?
沖田隊長は明けかけた襖をバンっと潰す。
いや、なんかめちゃめちゃ怖くない!?
ドア潰しちゃったよ!?!?
『ご、ごめんね、もう一度…』
雄心「もー歩美は耳が悪いな」
ぷーと頬膨らませてまたにこっと綺麗な顔して笑う。
雄心「愛する可愛い俺の歩美、俺と結婚して下さい。」
……え?