第2章 惚れた人。【ミツバ篇】
『そうなんですか?おめでとうございます。』
ミツバ「ありがとう。」
ミツバさんは微笑む。
ミツバさんは気を使ってくれて、お菓子を手土産にと私にくれた。
ミツバ「それでも食べながらお話聞いてくれませんか?」
『えぇ、もちろん。ありがとうございます。』
私はお菓子が大好きだ。
だいたいなんでも食べられる。
『じゃあ、いただきます。』
そのお菓子の名前は
世界一の辛さ!超超超激辛せんべい
である。
…少し抵抗があるが口にふくむ。
『ぐはっぁぁあ!?か、辛いぃぃぃぃいいい』
ミツバ「え?なんとおっしゃりました?」
ミツバさんは不安そうにこっちを見る。
い、いけない!
『か、辛いものが大好きなんで…お、美味しいですね!!!!!』
するとミツバさんは顔が晴れる。
ミツバ「良かった、お口にあって。どんどん食べて下さいね!!!」
せんべいが赤くなってる件について。
ミツバ「私ね…ほんとはね…想いをよせた人がいたのよ。昔。」
『……』
ミツバ「ふふ、知ったこっちゃねぇって言われてフラれたんだけどね。」
ミツバさんをふるとか。
そいつどんだけイケメンなんだよ。
眼科いけよってなるよね。
ミツバ「私…忘れられない。…忘れたくない。あの人を。」
『今も…?』
ミツバ「…ほんとはね。今も大好きよ。でもね、その人は今の仕事がほんとに楽しそうで、幸せそうなの。私がそのなかに入っちゃ駄目なんだな、って思ったのよ。その人は仕事をしている時が一番輝いている。刀を持っている時が一番……素敵だから。」
『…そうなんですね…。』
ミツバ「私、その人達の背中を見るのが一番嬉しかった。離れていくとか、そんな不安もあったけど、心が暖かくなった。」
ミツバさんは困ったように笑った。
ミツバ「こっちを見てくれなくたっていいから幸せになってほしい。」
『好きな…人には…幸せ…に。』
ミツバ「そうなの、」
『その人の事ほんとに好き何ですね。』
ミツバ「えぇ。」
ミツバさんは頬赤く染めて笑った。
ミツバさんは恋してるときが輝いている。
とても綺麗だった。
ミツバ「今も幸せよ。今の結婚相手も私の事をちゃんと幸せにしてくれようとしている。」
ミツバさんは複雑な気持ちなんだ。
ミツバ「ただ、あの人には幸せになってほしい。だから……」