第2章 惚れた人。【ミツバ篇】
コンコン…
「入って良いかしら?」
この声は…
『ミツバさんですね、良いですよ。』
ミツバ「お邪魔します。」
自室で拳銃の整理をしていたらミツバさんがいらっしゃった。
無理やりファミレスに連れていかれた次の日。
私はファミレスから出て、その後も銀さんの背中の中でぐっすりだったらしい。
だから、昨日何があったか知らない。
が、
土方さんとミツバさんの間に何かある……
ってことはなんとなく分かった。
『ミツバさん、どうしたんですか?』
ミツバ「ふふ、なんとなく抜けちゃったのよ。」
『抜けた?』
ミツバ「病院は暇ですもの。」
えっ?
『び、び、病院んんんんんんんんん????』
ちょっと待って、ん?病院?
ビョウイン?
びょういん?
病院?
ミツバ「えぇ。病院から抜け出してきたの。」
『そ、それは駄目でしょぉぉぉぉおおおおお』
ミツバ「ふふ、歩美さん、面白いのね。」
『面白い!?』
ミツバさんは正座をして私と向き合った。
それもまた綺麗で。
いちいち惚れる。
ミツバ「……そーちゃんがご迷惑おかけしてごめんなさいね。」
ミツバさんは庭を見た。
『いえいえ、私ですよ。ご迷惑おかけしてるのは。』
ミツバ「ううん、そーちゃん、好きな人に意地悪しちゃうから…嫌な気持ちにならないかって。」
『…??いえ?別に????』
ミツバ「ふふ、歩美さん分かってないのね。」
『えっ??????』
ミツバ「そーちゃん…いいお嫁さん持ったわね。」
『あ…それは……』
ミツバさんには嘘をつきたくない。
でも…これを知ったらミツバさんは悲しむ……。
ミツバ「知ってるわよ。歩美さんはそーちゃんと付き合っても無いんでしょ?」
『っえ!?』
ば、バレた!?!?
ミツバ「あの反応を見てると分かるわよ。…でも」
私の反応って分かりやすいの!?
結構演じてたと思ったんだけどなぁ。
演劇部は無理だな。←
『…でも?』
その続きが気になって私は聞き返した。
するとミツバさんはクスクスと笑って言った。
ミツバ「何でもないわ、歩美さんから自分で気付きなさい。」
ミツバさんは華やかに笑った。
『…はい』
なぜかよくわからんが返事をしてしまった。
ミツバ「私ね、結婚するの。」