第1章 始まりは突然に
「お姉さんたちこの後空いてる? 俺と遊んでくんない?」
振り返って見てみれば、2人組の女性に声を掛ける1人の男。
私の他にも何人かが足を止めてその様子を窺っていた。
「もし忙しいならまた今度にするからさ! 連絡先教えて?」
明らかに迷惑そうにしている女性達を他所に、その男はねちっこく話し掛けている。
「ナンパとか、サイテー……」
しばらくすると、その男の方へ別の女性が寄って行った。
明らかにお尻の軽そうな人。
2人は何やら話しており、そのすきにナンパされていた女性達はスタスタと逃げ出していた。
しばらくして2人の話は終わったのか、お互いが腰に手を回しまるでカップルのようにホテル街の方へと消えていった。