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猫と梟と私のお話【HQ R18】

第1章 始まりは突然に




気分転換をしようと部屋を出てテキトーに歩いていると、あのマネさんの香りを付けたクロに出くわしてしまった。


「寝れないのか?」
「ん……うん……」
「俺も♪」
「でも……そろそろ戻ろうと思ってたとこだから、見つかってもまずいし?」
「1人で大丈夫か?」
「ここまで1人だったし平気、クロも見つからないうちに早く戻りなよ?」
「わかってるよ」


クロの前を通った時、舌打ちしたように聞こえた。


「なぁ……」
「ん?」


呼び止められ、振り返れば──
今までに見たこともないような顔でこちらを見下ろすクロ。


「ど……したの……?」


その顔に気圧され、うまく声が出せない。


「木兎と、なんかあった?」
「えっ?」


思いもよらない名前が出てきた。

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