第1章 始まりは突然に
「ぇ? ちょっ、夜は下着つけない派?」
「違っ……も、離し、て……っん……」
「んじゃ誘ってんの?」
「違うっ……私は、そんなんじゃ……ないっ……」
木兎はそのまま私への刺激を続け、私の反応を楽しんでいるようだった。
「ホント……やめ、て……」
「ちょっ、辞めるから! 泣くなって!」
「……ぇ……?」
私は木兎に言われるまで、自分が泣いていると気付かなかった。
「悪い、ごめん、すみませんでした」
私から手を離し頭を下げる木兎。
私は小さく大丈夫と応え、立ち上がろうとするが上手く力が入らない。
「大丈夫か?」
「うん……大丈夫、だから……ちょっと離れてて……」
「はい……」
しょぼんとした木兎は放っておいて、私は再び立ち上がろうとするも、どうやら腰が抜けてしまったようで上手く立ち上がれない。
「手伝う?」
「いい……そっから動かないで」
「はい……」
また近付かれたら先程のような事をされるのではないかと思い木兎の力は借りず、私は1人でなんとか立ち上がる事が出来た。