第5章 ご褒美は俺が!!
今剣「あるじさま、おしょくじをおもちしました」
五虎退「い、いち兄の様態はどうですか?」
平野「主君もお疲れではありませんか?」
薬研「悪い、大将。弟達がどうしてもいち兄の顔を見たいって聞かなくてな。大将!」
一期「薬研《しー》みんなも静かに。主は疲れて寝てしまわれました。私はもう大丈夫ですよ。心配をかけましたね」
一期の布団に倒れ込むように眠る審神者に、薬研達は慌てて駆け寄った
穏やかな寝顔にホッとする反面、一期の手を握り締め寄り添うように眠る姿はまるで身体を心配する恋人のようで、薬研の心はチクッと小さく傷んだ
薬研(涙の、跡?・・・)
平野がひいた褥に審神者を寝かせた薬研は、頬に残る涙のあとに首をひねった
一期の怪我は確かに破壊していてもおかしくないほど重症だった
審神者はかなりの心配性のようだが、薬研がいた時にはそんな素振りなど全くみせなかっただけに一期に嫉妬してしまう
涙の跡をそっと親指で撫でると審神者が何かを小さく呟いた
薬研「ゆ?聞こえないな・・・」
口元に耳を近ずけるがもう寝息しか聞こえなかった
誘惑するような甘い甘い吐息・・・
厚「薬研・・・何やってんだ?」
突然聞こえた厚の声にハッして我に返った