第5章 ご褒美は俺が!!
薬研(まったく・・・気を失っている間にだいじな物を見られたとあっては、いち兄も立ち直れないだろうな。しかし、男の裸が平気とは・・・純情っていうより、無垢なまま成長したみたいな大将だな)
審神者『熱は・・・大丈夫ね。薬研、一期も大丈夫みたいだからお風呂に入って着替えてきたら?夕食もゆっくり食べてきて大丈夫よ』
薬研「あ、ああ、戦闘服のままだったな。じゃあ先に着替えてくる。いち兄を頼む」
興味から、真剣に一期の容態を診る審神者をじっと見ていた薬研は突然向けられた笑顔にドキドキしてしまった
一期の容態を観察し、薬研は足早に部屋を出て風呂場へと向かった
審神者『そんなに急がなくて・・・って、もう居ない。一期はみんなに慕われているのね』
そっと一期の前髪をすくい寝顔を見ていると、布団から覗く浴衣が目に入った
一度も袖を通すことの無かった浴衣
何度も指に針を刺しながら、悠月のために一生懸命に縫った初めてのプレゼント
ツー・・・溢れた涙が頬を伝う・・・
一期「泣かないでください・・・主・・・この涙が誰を想って流される物なのか、私にはわかります。私が側にいてお護り致します。泣かないでください・・・」
審神者『ゆ、づき・・・ック・・・』
涙をすくう一期の手にすがりつき卯月は声を殺して泣いた