第2章 主に従いなさい
初めて見た照れたように笑う審神者(悠月)の顔を今でも思い出せる
平野(誰よりも強い?)
目の前にいるのは何処をどう見ても華奢で可愛らしい、花畑が似合いそうな可憐な少女
1人悶々と考えを巡らせていた平野の耳に、仲間たちのどよめきが聞こえ現実に引き戻された
平野「えっ!」
そこには尻餅をついた山姥切と不敵に笑う少女が立っていた
-----5分ほど前の出来事-----
山姥切に向け剣を構えた卯月はにっこりと微笑んでいた
卯月『手加減、しないでね』
語尾にハートマークが付いてそうなほど甘い言葉に、山姥切の心臓はドキリと跳ねた
山姥切(可愛らしいな・・・この娘が主・・・いやいや、無い・・・)
卯月『ボーっとしてると押し倒しちゃうよ?』
邪念を振り払うように首をぶんぶんと振っているとやけに近くで声がした
瞳を開ければ目の前いっぱいに広がる大輪の花と頬に触れる柔らかなもの・・・
山姥切「え?うわーーー!」
あまりの驚きにザザッと身体を引くと尻餅をついてしまった
卯月『はい、わたしの勝ちね。山姥切国広ゲットだぜー』
頬に当てられたのは可愛らしい小さな人差し指で、拳を握りしめ空に向けてガッツポーズ・・・