第4章 炎に、堕ちる・・・
大典太(こんなにも華奢な身体の何処に、これほどの霊力を持っているのか・・・)
三日月にすっぽりと抱きしめられた小さな身体
三日月の霊力を注いでいるとはいえ、破壊寸前の刀を元通りにするだけの凄まじい霊力
自分の桁外れな霊力を嫌い蔵に引きこもっていた大典太は、霊力を注ぐ審神者の横顔を興味深く見つめていた
審神者『薬研、一期を私の部屋に運んで。審神者部屋には私の霊力が充満しているから手入れ部屋よりも回復が早いはずだから。それに・・・眼を覚ますまで診ていたいから』
出血も止まり傷口も塞がったとはいえまだまだ油断出来ない状態だった
薬研「大将の部屋に?まあ、大将が側にいるなら安心だが・・・」
堀川「僕、担架を取ってきます」
岩融「俺と太郎太刀で運ぼう」
平野「いち兄のお布団を主君の部屋まで運んで来ます」
鯰尾「あ、それは俺と骨喰が運ぶから平野達はいち兄の着替えを用意して」
平野「分かりました」
今剣「じゃあからだをふくたおるとおゆをよういしてきます」
五虎退「ぼ、僕も行きます!」
薬研(大将といち兄が同じ部屋・・・)
薬研の憂いとは裏腹に刀剣達はテキパキと行動していた
一期のことは心配だった
審神者が四六時中側にいるなら安心だ
けれども、それとは別の感情が薬研の心を支配していた
《二人っきりにさせたくはない》