第4章 炎に、堕ちる・・・
審神者『さてと、それじゃあ平野たちが植えた草花と勾玉を回収しましょうか。一応何が起こるかわからないから全員戦闘態勢で待機しててね。まずは・・・北から行きましょうか。玄武、取り出した勾玉はすぐに封印して。あとでまとめて清めるから』
刀剣たちが見守る中、審神者は平野と玄武を伴い北の結界へと向かった
抜いてしまうのが勿体ないほど美しく咲き乱れる椿の花
けれども霊力を集中させると僅かに花の生気が澱んでいるのがわかる
審神者『これ・・・可愛そうだけど朱雀の炎で浄化した方が良さそうね』
平野「主君!これ!」
抜いた椿を朱雀に渡していた審神者の耳に、焦った平野の声が届いた
審神者『平野!それを離して!』
振り向いた審神者が見たものは黒くくすんだ赤い勾玉
勾玉から禍々しい気が溢れ出ていた
平野「は、離れません!主君ー!」
禍々しい気は一瞬で平野を包み込んでしまった
玄武「仕方ない、一緒に『駄目!そんなことをしたら平野が堕ちてしまう!私が浄化するから私ごと結界を張って!』
どんどん溢れ出てくる気に、迷わず平野ごと結界で閉じ込めようとする玄武
禍々しい気と一緒に結界内に閉じ込められれば、逃げ場のない平野は闇に堕ちてしまう
審神者は玄武の答えも聞かず平野に駆け寄るとぎゅっと抱きしめた
玄武「卯月!っこのお転婆が!」
と同時に、審神者と平野を玄武の結界が包み込んだ