第3章 誰よりも大切な君
審神者『ーー!!』
青龍「落ち着け!卯月!」
玄武「ダメだ、聞こえてない!」
結界を張ったまま何度も呼びかけるが、暴走状態の審神者には全く届かなかった
ドス黒い血のように暗い朱色の髪が爆風ではためく
加州「主!」
明らかに異常な変貌に、刀剣たちは近づくことも出来ず立ち尽くすしかなかった
白虎「このままでは結界が持たない!朱雀!」
朱雀「仕方ない・・・お転婆がすぎるよ、卯月!」
薬研「何をするつもりだ!」
結界を3人に任せ弓を構えた朱雀に、薬研が慌てて駆け寄った
玄武「少しお灸をすえるだけだ!心配ない!朱雀、結界を解くぞ!」
朱雀が審神者に向けて弓を引ききったと同時に玄武たちは結界を解いた
朱雀が放った矢は、真っ直ぐ審神者を目指し嵐のような爆風の中を飛んでいく
「「「大将!主さま!主!」」」
矢が審神者に刺さる!そう思った瞬間
朱雀「矢が、弾かれた・・・」
審神者に刺ささったでもなく、爆風に煽られたでもなく、矢は空へと向きを変え
霧散した
爆風が嘘のように収まり、静けさが戻るとそこに・・・
審神者を抱き上げた1人の青年が立っていた
???「いくら神矢で傷つかないといっても、女の子に矢を放つのは感心しませんね、朱雀」
審神者の髪は元の美しい黒髪に戻り、気を失っているようだった