第3章 誰よりも大切な君
和泉守「とりあえず、元に戻ってよかったな。それと・・・あー、昨日はすまなかった。主」
卯月(あ、今《主》って・・・)
部屋を出て行く和泉守の背中を見つめ、卯月の頬は少しだけ緩んでいた
乱「あるじさん、着替え持ってきたんだけど、入っていい?」
卯月『着替え?』
和泉守と入れ違いに顔を覗かせた乱を部屋に招き入れる
乱「うん、みんなが広間で待ってるからこれを着て来てね」
卯月の手に着替えを渡すと、乱は反論を受け付けないように部屋を出て行ってしまった
卯月『これって・・・』
手渡されたのは真っ白な審神者の衣装
しばらく悩んでいた卯月だったが、いつまでもみんなを待たせるわけにはいかないと衣装に袖を通した
卯月『お待たせ・・・は?』
広間の襖を開けた卯月は、中の光景に間抜けな声を出してしまった
広間にいた刀剣たち全員が正座をし頭を下げているのだ
卯月『・・・何してんの?』
三日月「昨日は大変失礼なことをした。改めて、この本丸にいる全刀剣男士一同、主に仕えることを誓わせてもらう」
刀剣たちをまとめているであろう三日月宗近が忠誠を誓い顔を上げると、他のみんなも顔を上げた
卯月『・・・どういうこと?昨日は途中で邪魔が入ったけど、私はまだ全員を叩きのめしてないわ』
心境の変化が理解出来なくて卯月は眉根を寄せた