第2章 主に従いなさい
一期「ほらみんな、薬研を困らせるんじゃないよ。薬研が付いているから主は大丈夫。もしかしたら明日の朝目覚めるかもしれないですよ?途中で寝てしまった姿を見られるより、元気な姿を見られる方がいいんじゃないですか?」
蛍丸「ダメだよ国俊。こんなに沢山居たら主が休めない」
岩融「明日の朝また来れば良い。このお方はもうここの主なのだから」
薬研(さすがだな)
薬研は、言葉巧みに短刀たちを納得させる保護者たちに感心していた
一期「では薬研、主のこと頼みましたよ」
薬研「ああ、任せとけ」
薬研「まだ熱が高いな・・・」
静かになった部屋で、薬研は卯月の熱をみる
冷たいタオルに替えてやれば、少しだけ表情が和らいだ
ホッと息をついた薬研はゆっくりと部屋を見渡した
悠月が亡くなってから一度も足を踏み入れたことが無かった審神者部屋
悠月が死んだ事実を受け入れられなかったからだ
だが悠月の霊力は確実に薄れていて、本丸が消滅するのも感じていた
練度も高く自己判断力も早いこの本丸の刀剣たちは優秀だった
悠月が強く頭のいい優秀な審神者だったからだ
その為政府は新しい審神者を何人も送ってきたが、これがどれもこれも無能ばかりだった
薬研「最初の審神者はいけ好かないヤツだったな」