第2章 主に従いなさい
顕現して人の身の姿をしていても刀剣男士と本体は常に一心同体
口づけの感触は薬研にも伝わってくる
卯月『あ、ごめんね。後でちゃんと潔るから。仔虎を助けたら即四神の結界を張って!』
一期「薬研!大丈夫ですか?!顔が真っ赤です!薬研!何故泣いているのです!」
薬研「何だ、これ・・・身体が、熱い・・・悠月に霊力を注いでもらった時と同じ感じがする・・・暖かくて、力強くて、優しくて・・・悲しい・・・」
口づけによって本体に霊力を注がれた薬研は困惑していた
霊力と一緒に流れ込んできた卯月の感情
その中にあった深い悲しみに、自然と涙が溢れてしまったのだ
取り乱す一期には目もくれず、薬研は仔虎を助けに行った卯月だけをじっと見ていた
五虎退「と、虎くん!無事でよかったです。あ、あるじさま、ありがとうございます」
卯月から受け取った仔虎を胸に抱きしめて、五虎退は何度もお礼を言う
卯月『ありがとうは一回でいいわ。それより、早く時間遡行軍を追っ払わないとね。あ、薬研、ありがとう。やっぱりこれ、いい刀ね』
五虎退の頭を優しく撫で薬研に本体を返した
薬研「あ、ああ・・・」
受け取った本体にはまだ少し卯月の霊力が残っていて、薬研の心臓はうるさいくらいドキドキしてしまった