第2章 主に従いなさい
「「「何だ?!」」」
卯月『時間遡行軍・・・』
ギリっと奥歯を噛み締め割れた空を睨んだ
山姥切「時間遡行軍?!なんで奴らがこの本丸に!ここは悠月の霊力に守られてるから・・・」
卯月『その霊力が弱まってるのよ。当然でしょ?審神者が亡くなってもう半年も経つんだから。本来ならとっくの昔に霊力切れで消滅してるはずなのよ。それがこんなにも長く存在しているのは・・・こんのすけ・・・あなたたち政府の仕業、だよね』
みんなの視線を受け小さくなるこんのすけ
こんのすけ「・・・はい・・・隠していて申し訳ございません。ここはとても優秀な本丸な為、政府はどうしても手放したくはなく。本来なら新しい審神者様が霊力を注いでくだされば何も問題はなかったのですが、皆さまには受け入れていただけず・・・刀剣さまたちには内緒で依代を配置させていただきました」
太郎太刀「まさかその依代とは・・・」
こんのすけ「はい。先日私が本丸の四方に植えた草花です」
審神者の居ない本丸を守るため、こんのすけが植えたのは季節の草花
春の桜草は東に
夏の向日葵は南に
秋の撫子は西に
冬の椿は北に
この草花を媒介として政府の審神者たちが霊力を注いでいたのだ
卯月『無理な霊力を注いだせいで残っていた審神者の霊力が澱んでしまったのよ。で、時間遡行軍を呼び寄せてしまったってこと。呼んでしまったものは今更どうしようもないないから、殲滅させるしかないんだけど・・・流石にこれは・・・』
目の前に降り立った時間遡行軍たちに全員が眉根を寄せる
目の前だけではない、塀の上にも所狭しと時間遡行軍が降り立っている
その数、少なく見ても百体