第7章 二人の山姥切
長義「・・・嫉妬ね~写しくんはひねくれ者ばかりだったが、どうやらここの写しくんはかなり素直らしいな。布も被っていないしね」
審神者『長義、《写しくん》じゃないわ。《山姥切国広》私のまんばちゃんよ』
ぷーっと頬を膨らませ審神者は人差し指を立てて訂正した
長義「まんばちゃん・・・ははは!随分と可愛らしい呼び名で呼ばれているんだな。よろしくな、まんばちゃん」
山姥切「《ちゃん》ではなくせめて《くん》にしてくれ・・・それを言うなら、お前も随分と雰囲気が柔らかいんだな」
からかうような長義に山姥切は不機嫌そうに反論した
いつもは山姥切国広を、自分の写しを偽物と呼び毛嫌いする長義
だが目の前にいるのは写しの山姥切を認め穏やかに笑う長義だった
長義「ああ、それは卯月のせいだろう。俺たち刀剣の根本的な性格は同じだが、個々の性格は顕現させた主の性格に強く影響されるからな。好戦的な審神者の刀剣は攻撃的に、のんびり屋の審神者の刀剣はおっとりとした性格になる。俺は卯月の霊力で顕現したからな、他の分霊とは性格がかなり違うらしい。卯月は優しいからな」
山姥切の腕に抱き上げられた審神者の頬を撫で、長義はふわりと微笑んだ
山姥切「そうか・・・(主が認めてくれたのだから他の者がどう思おうとどうでもいいんだがな)」
腕の重みを心地よく思いながら、山姥切はふっと微笑んだ