第1章 ~ATOBE KEIGO~
「あっ遅せーよ!!!あのさー…」
「さん聞いて下さいっ!!前よりサーブが入るようになったんです♪」
「岳人も長太郎も一辺に喋んな。が困ってんだろーが」
「フフッ、ありがと亮」
「いや別に…///」
「あれ~なんか宍戸顔赤くない?あっおはよー」
「ジロちゃんおはよう♪」
毎日繰り返される光景
俺の目に狂いはなかったはずなんだがこれだけは誤算だった
「(こんなにもコイツらが懐くとはな…)おいテメーら、さっさと準備しやがれ」
その声に渋々、の元から離れるレギュラー陣。俺はそれを確認すると、持っていたバインダーに目を通す
「ホンマにちゃんて人気者やなぁ?」
「…なんだ忍足」
隣に来た忍足に目も向けず、メニューを書き込んでいく
「いや、毎日毎日大変やなぁて」
「そう思うならテメェも手伝え。毎日一喝するこっちの身にもなってみろ」
「いやいや、せやなくて…跡部の顔がなんや怖いなー思て」
その言葉にペンを止める
「アーン?そんなのアイツらが煩くしなきゃすむ話だろうが」
「ま、そうなんやけど…」
「訳わかんないこと言ってねぇでさっさと行くぞ」
景吾はバインダーで忍足の背中を軽く叩くと、部室を出ていった
(理由はもっと他にあるんとちゃうかなーって話やったんやけどな…)
「何だよ侑士、スゲーニヤついてんぜ?」
「あぁ岳人、ちょっとな…」
「ホントだー忍足キメェ」
「いやいや…」
「おい忍足、そういうのマジでやめたがいーぜ?」
「………………」